――英語チームは海外のお客様の案件を対応するチームと聞いていますが、簡単に英語チームについて教えてください。
中里:英語チーム発足にいたったきっかけは、イーソーコ.comの英語版サイトに対する課題点でした。
元々サイト自体は前からあったのですが、それを運用するようなスキームが整っていなかったり、担当者が明確にいないというのが課題にありました。その為、今までも海外のお客様からのお問い合わせがあったのですが、成約にまで至らないことが多々ありました。
その現状を若手の力で変えていく為に英語チームを結成し、英語の好きな藤田さんをはじめとする若手社員数名と、遠藤副社長、物流不動産部・大谷次長がサポートに入り、海外の案件を対応するということになりました。
――英語を得意とする若手で英語版イーソーコ.comを変えていこうというわけですね!今回はそんな英語チームの初成約とのことで、きっかけは何だったんでしょうか?
藤田:英語版イーソーコ.comからお問い合せを頂きました。そこで私の方から詳しい条件をメールにて伺い、先輩方と一緒に訪問させて頂きました。
――どのような企業様だったんですか?
中里:ファルミナペットフーズ様というペットフードを取り扱っている企業です。本社はイタリアで、南米地区や欧米地区に事業域を拡大していて、2年ほど前に日本支社が出来たそうです。日本支社であるファルミナペットフーズジャパン株式会社様が今回のお客様で、日本支社の統括されている方がセルビアの方でした。「ペットフードはただの食べ物じゃなくて、ペットの医薬品、医療品」という考え方を大切にされていて、こだわりをもってらっしゃいます。
元々は東京にある倉庫会社に寄託として預けていましたが、もっと事業ビジネスを拡大したいとのことで、自社倉庫をもって自社オペレーションにしたい、というのがきっかけだそうです。
藤田:そこで訪問時に、「どういう場所がいいのか」「どのくらいの条件で探すのか」などをヒアリングし、すぐ倉庫があるかどうかも含めて、まずは物件資料を取り寄せたい、とのことだったので、早急に物件を提案しました。
――今回の案件は中里さん、藤田さんがメインで対応したとのことでしたが、契約までの流れはどのような形でしたか?
藤田:2月に問い合わせを受けて、その月中に会社訪問、物件提案、内覧を行いました。そして、3月に申し込み書を頂きました。
中里:他の案件もそうなのですが、申し込みから成約までの条件交渉が大変ですね。倉庫の躯体に関わるラックを設置するなどの要望に対して交渉・調整を行ったり、テナント様のその物件にどうやって人(労働力)を集めるかなどの悩みに対して相談に乗りながら、話を進めました。
――なかなか難しいところなんですね。実際にどのくらいかかりましたか?
中里:3月末から5月中旬まで条件交渉やご相談の対応を行っていました。5月中旬に契約を交わし、5月18日に物件の引き渡しを行って終了しました。
――2か月もかけて、テナント様とオーナー様が安心して契約できるように動くんですね。海外の方との案件はなかなか特殊だと思うのですが、難しかったことはどんなところですか?
中里:大変だったのは、まさに2ヶ月かけておこなった条件調整です。自社で倉庫をオペレーションするのに慣れていない、さらに日本の文化や地理、物流について深く知らない海外のテナント様なので、日本人として、そして物流不動産ビジネスのプロとしてどうアドバイスするかを常に意識していました。
東京港に来たコンテナを倉庫に入れて配送先に持って行くとなると、神奈川の厚木エリアが最も良いんじゃないかということで、物流的なことも含めてアドバイスさせて頂いて、良い物件をご提案出来たからこそ成約できたと今は思っています。
藤田:私は日本と海外の文化の違いですね。テナント様としては早く契約したいというのがありつつも、金額や条件の記載された正確な書類や情報をイタリア本社に送る必要があり、どうしても時間がかかってしまうということがありました。我々としても正確な書類を作成するために、不動産会社を通じてオーナー様にお願いするのが難しかったです。
中里:海外の外資系企業様は『契約書が絶対!』という考えがあり、抜け漏れや曖昧なことを嫌います。なので、日本だと物件資料によく記載されている「賃料相談」などの曖昧な状態で提案すると、「相談ってなに?」といったご指摘を頂いたり、シャッターが壊れた際にどっちが費用を負担するのかなどの区分負担などを明確に決め、しっかり一つ一つ詰めなければいけないのが大変でした。
――英語という言語の壁があったかと思いますが、大変だと感じる時はありましたか?
中里:大変だとも言いましたが、意外と苦じゃなかったというか、抵抗はなかったです。というのも、この案件に携わる前にもいくつもの英語案件を対応して種を蒔いてきたので、そこでの土台作りといいますか、お客様とのビジネスコミュニケーションや握手、海外の方への接し方などを経験の中で学んでいました。そういった経験をしっかりと積んできたからこそ、上手くいったのかなと思います。大変だったのは、単に英語力が不足していたことですね。(笑)
――経験で慣れたとしても、やはり言語の壁は高いんですね。(笑)
ところで藤田さん、宅建士として初めての重要事項説明を行ったとのことでしたが、いかがでしたか?
藤田:初めての『重説』ということと、英語の案件でここまで進んだことが初めてだったので、今回の機会はものすごく貴重なものとなりました。
重説自体は日本語で、先方に通訳の方がいたので非常にやりやすい状況で助かりました。ただ、通訳の方が間に入る分、通訳をする時間があり、どこまで翻訳するかを判断する間を取ることを意識しました。緊張はしましたが、宅建士の大先輩である吉野課長代理がいらっしゃいましたし、後輩ですが頼りになる中里さんがついていて、二人が積極的に質問に答えてくださっていたので、落ち着いて重説に取り組むことが出来ました。
――先輩や後輩の支えというのは大切ですね。今回の経験を踏まえて、今後どうしていきたいなどの展望はありますか?
藤田:吉野課長代理が作成してくれた重要事項説明に関するマニュアルを参考にしたので、そのマニュアルを整えたり、後輩が宅建士の資格を取り、重説をする際に手助けが出来るように今回の経験を元にサポート出来るようにしていきたいです。また、自分も日建学院田町芝浦校で宅建士の資格を勝ち取ったので、会社に対しても感謝の気持ちを忘れずに、宅建の業務に励んでいきたいです。
中里:いずれは英語重説ですね?(笑)
藤田:いずれは頑張りたいですね。(笑)
中里:私は海外の方が契約書の中で気にするポイントが分かるようになりました。海外の方に伝える上で契約書のここが重要、ここはそうでもない、というのが分かって、同席させてもらえて有難かったなと思います。今後案件に携わるときは、そのポイントを意識したいですね。
――日本と海外の違いといいますか、ビジネスの考え方の違いが見えるというのは面白いですね!藤田さんが重説時に吉野課長代理に手伝って頂いたとの話もありましたが、今回の案件の中で先輩に助けて頂き印象深かったことを教えてください。
中里:私は、先輩方が常に見守ってくださったことに感謝しています。英語チームの案件を前に進めていく中で上手くいくときもそうでない時も、遠藤副社長や諸先輩方が常に見守って気にかけてくれて、「あの案件どうなった?」や、「オーストラリアの企業とスカイプミーティングすごいね!」など声を掛けてくださって、嬉しかったです。道のないところを一歩一歩開拓していったというイメージや思いがあるので、たまに方向性を示して頂きながら応援してくださったのが心強かったです。
今回の件に関しては、具体的に何ですかね?
藤田:そうですね…。
契約書や書類を先輩方に確認して頂いたことも勿論ですが、最初の会社訪問の際に大谷次長と坂田部長という大先輩たちと一緒だったので、営業力のあるお二人ならではの掛け合いがあり、大変勉強になりました。なので、英語案件に興味がある人は先輩の支えがあるので、是非イーソーコに来てください!
――海外のお客様や企業に関わりたい方は安心して仕事が出来ますね。では最後に、今後英語チームのやりたい事はありますか?
藤田:この案件に限らず、同じように成約につながる案件を増やすことですね。また、今回のお客様の重説には通訳の方がいらっしゃったんですが、そういう条件が無くても、通訳を我々で行って重説が出来るような事例を増やせていけたら良いなと思います。
中里:今後は契約書も英語で作成ですかね?(笑)
藤田:契約書は日本語でお願いします。(笑)
実際、倉庫会社さんは日本の会社なので契約書は日本語になるので、海外のお客様でも結局は日本語に対応して頂かないといけない面はありますが、とはいえ我々ももう少し英語を理解していた方が恐らく良いんだろうなとは思いました。ただ、イーソーコグループには英語が堪能な先輩がいらっしゃるので、先輩方を巻き込みながら、日本に出店を考えている小規模なお客様やベンチャー企業様の手助けができたら良いなと思います。
中里:今回の件に関しては、あくまで仲介でした。英語チームも今のところも仲介の案件を扱っていくということで、不動産業しかやってないのですけど、イーソーコグループとして物流不動産ビジネスをもっともっと海外に発信していくという使命があるので、今回の案件はそのファーストステップと捉えています。
今後は私たちが物流不動産ビジネスというビジネスモデルを理解すると同時に、それを英語などの海外向けの言語化を行って、もっと広報チームなどの他の社員の力を借りながら、広く世界にこのビジネスを発信してくことが最終的なゴールと思っています。実際に大谷会長からもそういうお話は来ていて、物流不動産ビジネスを海外の会社さんにしっかり説明できるようにプレゼン資料を用意し、プレゼンを行いなさいという課題も与えられているので、仲介としてそういう小さい種を増やしていくのも大事なのですけど、もっともっと広く大きなプロジェクトとして活動したいなと思っています。
■構成・テキスト/ドットコムジャーナル編集部