こんにちは、浅野です。
突然ですが、皆さんは文章を書く事は得意ですか?
私の周囲での話になってしまいますが、「文章を書く」というのは言葉を知っていれば誰でもできる行為のはずなのに、苦手意識を持っていたり、好きではない方が多い印象です。
しかし「書く」というものは、どんな仕事をすることになっても必ず使う超基本的なスキルです。
今回は、文章を書くことが好きな私が文章を書く上で気を付けているポイント、意識すると文章がもっと良くなると思っているポイントを書いていきます。
まず先にお話しておくと、私は書くことは好きですが、プロではありません。
会社で広報を2年半ほど行っており、ネット記事の執筆経験もありますが、ライティングを生業としているわけではないので、プロの方には遠く及びません。
ですが、それなりにやってきたからこそ知っていること、気づいたこともありますので、是非参考にしていただければ幸いです。
私が文章を書く上で意識しているポイントは、全部で3つあります。
①読み手は誰なのか、明確に意識する
②その媒体にあった形式を考え、統一・整える
③完成した文章を2回以上読み返す
今回は①について解説していきます。
1つ目の「読み手は誰なのか、明確に意識する」ですが、Web上や紙媒体の記事、SNS、はたまた就活のエントリーシートや学校の宿題・レポートまで、文章を書くことは「読む」という行為とセットになっています。
例えば、記事やSNSはその記事内容を発信することが目的となり、発信を達成するには多くの人に「読んでもらう」必要があります。
学校のレポートはもっと分かりやすく、先生の出す課題に対して自分の意見を書き、先生に「読んでもらって」評価してもらう為の文章です。
もちろんメモなど、自分だけが分かれば良いものもあるので、必ずではありませんが、基本的には「書く」には「読む」がついて回ります。
「読まれるとしても、書く内容とは関係ないのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、「読み手」を意識するのとしないのとでは、文章のクオリティに天と地ほどの差が出てくると私は思っています。
例えば、就活時のエントリーシートで考えてみましょう。
あなたはA社と言う会社に入社を考えており、1次選考のエントリーシートを作成するとします。
ここでの「読み手」は、就職したいと考えているA社の採用担当です。
その「読み手」を意識せずに、どうして入社したいのか、今まで何をやってきたのか、入社して何をやっていきたいのかなど、自分の思うままに書いたとしましょう。
その文章を採用担当者が見た時、どう判断するでしょうか?
採用担当者がエントリーシートを通して知りたいことは、その人の人柄が会社に合っているのか、その人のやりたいことが会社の求めている人物像に合っているのか、その人が会社に入ってプラスに向いていくのかなど、会社を軸とした観点だと思います。
もちろん自分の考えや価値観、やりたいことを書いた文章が、採用担当者が会社にマッチしていると判断したら選考を通過することは出来るでしょう。
しかし、採用担当者が「この人はうちの会社には向いていない。」と判断したら、あなたはその時点で選考から外されてしまいます。
つまり、文章はたとえ同じ言葉で書かれていたとしても、「書く側の考え」ではなく「読み手がどう受け取るのか」によって意味合いが変わってきてしまうということなのです。
特に日本語は「行間を読む文化」だと言われているので、同じ意味でも違う言葉だと印象が異なったり、言葉の入れ替えを行うと意味が変わってしまったりなど、「読み手」によって受け取り方が変わってしまう言語なので、私も日々難しいと感じます。
今回はエントリーシートでお話しましたが、ここで私の伝えたいことは『文章の意味は「読み手」に委ねられている』ということです。
つまり、「読み手」に自分の言いたいことが正しく伝えられているのか、伝えられるような文章になっているのかが大事になってきます。
例に出したエントリーシートでお話すると、自分のやりたいことや価値観が会社にマッチしており、今までの経験が会社で活きると採用担当者に思ってもらえるような文章を書くことが1つのポイントとして重要になるのです。
「読み手」を意識し始めたら、その「読み手」はどんな人なのか、考えてみてください。
例えば、今回のこちらのJOURNALの場合、
「読み手」はイーソーコグループに入社を考えている学生の皆さんを想定しています。
私は記事を書く際、学生の皆さんにも分かるような文章を心掛け、学生の皆さんにとって読んだら役に立つ内容になるよう、文章構成を考えています。
自分が就活生だった時を想像したり、ネットで「今の学生が会社を選ぶポイント」等で調べて、社内・社員の雰囲気や業務内容、福利厚生や3年後・5年後の姿やビジョンなど、学生の関心が高まる時期なども選ぶ基準に入れながら、テーマを考えていきます。
「読み手」は読む価値があると判断したときに、初めて文章を読んでくれます。
Webの記事やSNSが特にそうだと思うのですが、自分が今知りたいこと、理解したいことなどであれば自ら調べて、記事や投稿を見ると思います。
特定の「読み手」にとって今価値のある内容はなんなのか、狙って書けば読んでもらえる確率が高まっていきます。
小説やビジネス書、漫画は内容が面白くてストレス発散になったり、欲しい知識を得られるなど、何かしらの収穫があるからお金を払ってでも読むわけですよね。
どんな媒体や形態でも文章のクオリティだけでなく、狙う「読み手」にとって価値のある内容・分かりやすさなら、閲覧数が上がったり、収益が上がったりなど、いい方向に繋がっていくでしょう。
さて、ここまで仰々しく語っていますが、実はこの「読み手」を意識するという点で、私は過去に失敗しています。
それは私が大学生の時の話です。
以前の記事でも書きましたが、私は大学で児童学科に所属しており、幼稚園教諭の免許を取るべく勉強に励んでいました。
2年の秋に1回目の教育実習があり、私立の幼稚園に2週間お世話になりました。
2週目の半ばごろに合計3〜4時間ほどを頂き、自分の企画した内容で実習を行うこととなりました。
私は元々絵や制作が好きで、秋という季節も考えて、
『紙コップと折り紙でミノムシを作る』という実習の計画を立て、指導案を作成しました。
その導入として紙芝居を自作し、子どもたちがミノムシに関心を持つように促すことにしたのです。
文字書きも絵描きも好きで、その頃から将来は作家になりたいと考えていたので、楽しみながら土日に作業をして、画用紙10枚ほどの紙芝居を完成させました。
自分としては子どもに配慮したつもりでしたし、絵本も好きで定期的に読んでいたので、大丈夫だろうと思っていました。
しかし、担当の先生に見せた際、反応が悪く、何か言いたいことがあったのだと思いますが、
「とりあえずやってみようか。」と、そのまま臨むことになりました。
結果、子供たちからは「なにこれー!」や「わからなーい!」など、思い思いの言葉が飛び交いました。
絵本の読み聞かせは子供たちが物語に没入するにつれて、反応が統一されていったり、逆に静かに集中していくものです。
しかし、私の紙芝居はそれができておらず、子供たちの反応も三者三様でした。
中には絵を綺麗と褒めてくれる子もいましたが、確実に失敗と言える導入でした。
その後の制作の時間はみんな興味を持ってくれて、実習としては問題なく終えることができましたが、個人的に悔しい結果となりました。
その時、先生から言われたのは、「4歳の子供の視点に立って、言葉を選べていたのか。」ということでした。
私は自分の基準で、子供にわかる言葉で書いたつもりでしたが、長年子供たちをみている先生から見ても、難しい文章だったそうです。
振り返ってみると、子どもたちのためにやったというよりは、自分がやりたいという気持ちを優先した「自己満足」で動いていた気がして、それが良くなかったのだと思います。
自分の立場から想像するのではなく、子供たちにとっての世界を知り、現在普及している絵本を研究してから制作するべきだったと反省した出来事でした。
私の話はまだ言葉をすべては理解できない子ども相手だったからこそ顕著に出ましたが、大人同士でも100%同じように解釈・理解するのは難しいと思います。
だからこそ、読み手がどんな人なのかを具体的に想像し、何を求めて、何を知りたいのか。
書き手である自分は読み手へ何を伝えたいのか、どう書いたら理解してくれる文章になるのか。
しっかり考えてから書き始めると、文章の出来栄えが大きく変わってくると思います。
文章を作る上での構成や1文・1段落に対する文字量などのテクニックな部分もあるので、勉強してみると文章が良くなると思いますが、文章の根本は「読み手にたいして自分が伝えたいことを正確に伝えること」だと思います。
だからこそ、一番大事なのは「読み手」なので、想像・意識するということを心掛けてみてください。
今回は長くなってしまいましたので、②・③については次回解説していきます。
こんなに語っておきながら、私もまだまだ未熟な書き手なので、もっと読みやすい・分かりやすい文章を極めて、ライターとしても一人前になっていきたいと思います。