こんにちは、広報課の浅野です。
今回はイーソーコグループ独自の運用で行っている「ジョブローテーション制度」について、ご紹介します。
イーソーコグループでは、物流を基軸に不動産、建築、金融、IT、人財を掛け合わせた「物流不動産ビジネス」を展開しています。
ビジネスの幅が広いため、活躍するプレイヤーも業界をまたいだ多岐にわたるスキルが求められます。
さまざまな業界に精通し、お悩みや課題のあるお客様に対して複合提案のできる人財を「物流不動産ユーティリティープレイヤー」と呼んでおりますが、プレイヤーを育成するために、弊社では「ジョブローテーション制度」を採用しています。
ジョブローテーションとは、一般的には「従業員をある期間ごとに異なる業務に移動させる人事制度」のことを指します。
上記を踏まえ、イーソーコグループではジョブローテーション制度を「イーソーコグループ各社に社員を配置転換させること。物流を基軸に、複数の会社の業務を経験させることで、社員の物流不動産ユーティリティープレイヤーとしての暗黙知・スキル・多動力の育成を促進する制度」と定義づけています。
イーソーコグループの会長・大谷は「暗黙知」といわれる、言語化できない経験や直感などの知識・経験を大事にしています。
やってみないと分からないことがあるように、物流不動産ビジネスも業務を経験して、自分の中にしかない「暗黙知」を持ったうえで、多動力を駆使して活躍するプレイヤーを育むことを目的としています。
ですので、入社したての新入社員が受ける研修からジョブローテーション制度を採用しています。
■ジョブローテーション研修について
イーソーコグループでは、新入社員に向けての研修を2段階で行っています。
4月の1か月間は新入社員全員で座学中心の「全体研修」を行い、物流や物流不動産ビジネス、一般的なビジネスマナー、会社のルールなどを学びます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
その後、5~9月の4か月間でグループ会社を3社ほどめぐり、OJTの中で実務を経験する「ジョブローテーション研修」を行います。
今年はジョブローテーション研修を見直し、メリット・デメリットを考慮したうえで、2か月間・1週間おきに交代していく「短期ジョブローテーション研修」を実施しています。
研修先となるグループ会社は、イーソーコ(不動産)、東運ウェアハウス(物流)、イーソーコドットコム(人材・管理)&イーソーコシェアードサービス(バックオフィス)、イーソーコ総合研究所(建築)&カマダ工芸(施工)の計6社です。
合弁会社の新設やグループの拡大に伴って研修先の会社も増えており、イーソーコ・イーソーコドットコム・東運ウェアハウスの3社で研修を経験した私の時(2019年)との変化をひしひしと感じています。
ここまで幅広い業務を経験できるのは正直羨ましい限りです。
ジョブローテーション研修を受ける新入社員のメリットはいろいろありますが、まず一つは会社理解が深まることです。
物流不動産ビジネスは多岐にわたるが故に、ビジネス全体をつかむのは物流を勉強している方でも難しいと思います。
各社それぞれに主軸の事業や専門性があり、協力しながらワンストップでサービスを提供しているので、プレイヤーとしては当然のように各社のサービスを把握し、お客様に合わせてご提案できる必要があります。
ビジネスマンでも理解するのに時間のかかることを、新入社員が口頭の説明だけで理解するのは難しいです。
そのため、各社の事業をOJTで経験し、実学として知識やスキルに触れることで、自分の言葉で各社を説明できるようになり、イーソーコグループや物流不動産ビジネスの全体像を理解することができます。
また、新入社員にとっては、各社がどんな業務をしているかを知ったうえで所属になるので、所属後の不安を少なくすることができます。
新入社員ですと、明確にやりたいことを持っている人、やりたい業務をはっきりとイメージ出来ている人は少ないです。
実際にやってみると得意・不得意が見えてくるもので、自分の目指したい将来に向けて経験したいことは何かを考えるきっかけにもなります。
もちろんジョブローテーション研修ですべて理解することは難しいですが、少しでもキャリアを意識できるのは、何もわからない新入社員にとって大きいのではないかと思います。
次に社員同士の連携をしやすくできることです。
新入社員は、各社の業務を一度経験した状態で所属になります。
所属先での業務に専念するとしても、不動産の営業でイーソーコドットコムのレンタルソーコをご紹介したり、東運ウェアハウスのお客様で不動産のご相談を受けたりと、他社の業務につながるようなことが多々あり、連携は必要不可欠です。
連携するにあたっても、依頼する人がどんな業務をしているのかを実際に経験して知っているので、どんな情報を渡すのが良いのか、どんな書類を用意するのが良いのか、どう連携するのが良いのか、本人が考えて動くことができます。
そうすることで連携がスムーズに進み、お客様も社員もストレスなくサービスのご提供ができるようになります。
受け入れる各社にも、メリットがあります。
一つ目は、ジョブローテーションで新入社員それぞれと接する時間があることです。
4月の全体研修は基本、教育業務を担う「教育課」と一つ上の先輩になる若手社員が中心となって対応しています。
そのため、研修に関わらない中堅社員は研修期間が無いと、所属までどんな人でどんな業務が得意なのか、知らないまま受け入れることとなります。
ジョブローテーション研修で直に接して業務を経験させる中で、どの子がどの会社に合っているのかを先輩社員が判断することができます。
現場の社員が所属してほしい新入社員を検討し、各社の代表が話し合った上で決定するので、所属後のミスマッチが少なくて済みます。
また、ジョブローテーション研修に限った話ではありませんが、研修するにあたって業務やマニュアルの整理をする必要性が出てくるので、良い見直しの機会になっています。
教えるにあたって曖昧な知識を勉強し直したり、資料を作り直したり、研修を効率よくするにあたって方法を考えるので、先輩社員のスキルアップにもつながります。
デメリットとしては、短期間で業務をするが故に全ての業務をさわり程度にしか経験できないこと、そして所属後すぐに業務を対応できるレベルで覚えることはできない点です。
今までは所属先が決まる10月まで研修期間なので、一人前になるまでに時間がかかってしまうのが課題になっていました。
そのため今年はあえて短期間で研修を行い、所属を早めることで自身の業務を把握し、早めに注力して経験することで専門的スキルの早期向上を図ります。
■ジョブローテーション制度
ジョブローテーション研修終了後は各自約1~2社に所属し、任された自分の業務を対応していくことになります。
研修後もジョブローテーションは続き、節目となる4月、10月までに見直しを行い、ジョブローテーションを継続していきます。
私の場合、1年目は週4日東運ウェアハウスで倉庫事務、週1日イーソーコドットコムで広報を担当していました。
その後2年目には週1日東運ウェアハウス・週4日イーソーコドットコムになり、経験した業務に加えてレンタルソーコやco-ba、ビル管理などを経験しました。
その後はLiSで配送現場の梱包作業、広報でイベント企画などにも携わり、現在はイーソーコドットコムでシェアリング事業部(co-ba・レンタルソーコ)の事業部長を任せていただきつつ、イーソーコ総合研究所で広報・ストラテジー(営業事務)に携わっています。
振り返ってみると、いろんな経験をしているなと実感できますね。
いろんな会社の業務をローテーションする中でのメリットは、やはり各社のサービスを実際にやることで理解できることです。
営業でお客様と話す際に提案できる幅も広がりますし、提案できる手段が多ければお客様に最適なものをピンポイントでご案内することもできます。
逆に他社の業務中に出会ったお客様にも、得意とする会社のサービスを提案することもできるので、お客様の力になる機会を増やすことができます。
まさに多動力を持った物流不動産ユーティリティープレイヤーになるためには、必要な制度だと感じます。
デメリットとしては、専門性が育つのに時間がかかることと、複数会社に所属するからこそ軸があいまいになってしまうことです。
ですので、今年5月から「軸足プロジェクト」というものを開始しました。
「軸足プロジェクト」とは、軸足となる会社1社を明確に決め、その会社が所属するプレイヤーの責任を持つシステムを始動するプロジェクトです。
軸足となる会社を「所属先」とし、その社員の責任を持ち、業務のコントロールを担います。
所属先は会社が指定しますが、そこからずっと変わらないわけではなく、毎年4月に見直し(初年度のみ10月も実施)を行い、プレイヤーとも面談をしつつ、調整していくような形になる予定です。
本年度からスタートした制度なのでまだまだ曖昧な部分がありますが、自分が軸足として所属する会社が明確になった分、業務に対する考え方や相談の仕方がわかりやすくなったという印象です。
実際にどんな効果があるのかは、また1年後に発信できたらと思っています。
■終わりに
イーソーコグループのジョブローテーション制度は、他社とは違ってかなり特殊なものだと思います。
ですが、「物流不動産ビジネス」で活躍するプレイヤーにとって必要な「多動力」や「暗黙知」を得るためには、ジョブローテーション制度で実際に経験することが必要不可欠だと、経験している私も感じます。
本年度は新しい制度を採用しているので、今後どうなっていくのか、検証しながら進めていきます。
また発信していきますので、次回の記事を楽しみにしていただけたら幸いです。