こんにちは、小林です!
今回は、私の好きな本についてご紹介いたします。
私の好きな本は最果タヒさんの詩集全般です。
最果タヒさんは詩人と小説家をされている方で、主な受賞歴は第44回現代詩手帖賞、第13回中原中也賞、第33回現代詩花椿賞などがあります。
最果さんの本に出会ったのは、高校1年生まで遡ります。
以前から詩は好きだったのですが、リピートして読む詩人がいるかといえばそうではありませんでした。
本屋さんで詩が並ぶ棚をみていると、蛍光黄色と蛍光ピンクの背表紙、システマチックなフォントで並べられた題名、その全てが魅力的な本が驚きと共に私の目に飛び込んできました。
その他スカイブルー、グレー等を使って完成されたその本に運命を感じたのを覚えています。後に佐々木俊さんが手がけたデザインだと知りました。
本のページをめくってみると、連続して伝えられる言葉に突然起こる空白があり、その驚きを言葉にするのならば、「ひどく澄んでいる」「強制的な静寂を感じる」といった表現になり、
物に例えるなら氷(ICE)のようだと思います。
詩というもの全般は、私のイメージだと短い言葉で切ってあって、その短い言葉からフィーリングを得るようなものでした。
しかし、最果さんの作品は右上から左下まで文字が羅列しており、小説のようであるのに、言葉を言葉としてとらえると何も理解できないような、そんな特性があると感じます。
「読む芸術」「持ち運べるアート」、そんな言葉が頭に浮かんできます。
画家が絵の具を使って、目で見た対象を描くのと全く同じように、最果さんは言葉を使って対象を描いていきます。
その言葉自体には意味はなく材料のようなもので、赤と青が合わさって紫になるように、関連のないような言葉と言葉が合わさってはじめて輪郭が見えてくると感じます。
最果さんの詩集「夜空はいつでも最高密度の青色だ」は数百部前後と言われる詩集の平均発行部数を大きく上回る3万部強を記録しており、また映画化もされました。
またTwitter、Instagramでの発信や、自身の詩作品を用いた「詩ューティング」といった無料ゲームなど、最果さんの作品とSNSには強い結びつきを感じます。
展示会も東京、大阪、名古屋、福岡、宮城などで行われており、パネルに書かれた言葉を天井から垂らし風で揺れることで両面に書かれた言葉が交互にせまってきたり、言葉を円にして書くことでどこから始まるのかどこで終わるのかわからない、自由な文字列を生み出していました。
このような最果さんの試みと物流を掛け合わせて考えると、トラックに詩をのせた「走る詩」というのも面白いと思いました。
私たちにとっての言葉はその殆どが伝達手段になりがちですが、違う角度からみて面白がってみると言葉の様々なあり方や価値観を知ることができると思います。
同じように物流不動産業界を捉えた時、物流や不動産をもっと様々な業界の視点から観察してみる、そして大胆に組み合わせていく試みをすることによって新しい物流不動産の視点を見つけ、価値を創造していきたいです。