浅野です。
今回は私流働く心理学の第2弾ということで、会議での心理学について書いていこうと思います。
前回の記事はこちらからどうぞ↓
入社2年目・浅野「”私流”働く心理学vol1『私にとっての心理学の活用方法』」
特に若手が参加している場合に多いと思うのですが、「緊張や不安でなかなか発言できない」もしくは「参加者が積極的に発言してくれず、会議が進まない」ということはありませんか?
「発言が的外れだったらどうしよう」「評価が下がってしまったらどうしよう」という考えが頭を駆け巡り、勇気を持てずに会議が終わってしまうということは、誰しも経験のあることではないでしょうか?
私は緊張しやすい質なので、なかなか発言できず、終わってから後悔をするという経験を何度もしています。
逆に議長として引っ張る際に、新卒の子でも発言しやすい環境を作れず、静かな会議になってしまうことが多々ありました。
しかし、逆に楽しそうに発言をしてくれるような成功例もあって、何が違うのか分からずじまいでした。
今回はそんな参加者が発言しにくい会議ではどんなことが起こっているのか、そこを探ってみようと思います。
「赤信号みんなで渡れば怖くない」という言葉があるように、周囲と同じことをしていれば怖くない、恥ずかしくないという心理状況になったことはありませんか?
例えば学生時代、授業中に自分は良く分かっていないけど、とりあえず隣の人の真似をしようと考えたことはありませんか?
私はあります!(笑)
たとえ、その選択が間違いであったとしても集団と同じであれば正しい、という考え方を「集団心理」と言います。
有名な言葉ですね。
意見が出ない会議では、集団心理という現象が起きている可能性があります。
集団心理において、更に怖い現象が「不敗幻想」と言われる力です。
「不敗幻想」とは、自分の属している集団こそ最強で、所属している個々人もそのために働いている、だから私たちの集団はどんなことも乗り越えていける、という幻想です。
全員が同じ方向を向いて頑張るからこそ、何事も乗り越えられるという考えなので、「不敗幻想」が働くには、全員一致が前提条件になります。
反対意見を言おうものなら、「集団の結束を乱す!」と考えられ、意見を否定されます。
そのような状況下で、意見を言えますか?という話になってくるわけです。
では、どうすればいいのでしょうか。
私からお勧めする方法は、「否定のない空間」を作ることです。
「否定のない空間」とは、出てきた意見に対して否定をしない、マイナスなことを言わない、笑顔で話し合える空間のことです。
会議なので、全肯定は難しいかもしれませんが、出てきた意見をすぐに否定することをやめることで、「否定のない空間」は簡単に作ることが出来ます。
「否定のない空間」を作るという取り組みは、“2020年1番売れた会話の本”と言われている『人は話し方が9割』の永松茂久さんが主催しているコミュニティで活用されているものです。
永松さん曰く、
『人は、つい他人が語ることを「できる」「できない」に分類してしまいがちですが、これでは一人ひとりが自由に発言するモチベーションを奪ってしまうのです。』
と本書では書かれています。
否定という力は大きく、何百人という多数に肯定されても、たった一人に否定された一度のことの方を覚えてしまっているものです。
実際に私がそうでした。
否定されるという恐怖が、口を閉ざさせてしまう原因の一つになっているのです。
逆にいえば、「否定のない空間」を作れば、話すのがとても楽になります。
どんな発言でも否定されないという安心感は、閉ざした口を簡単に開かせることが出来るのです。
意見が出るようになれば、まとめるのはファシリテーターの技量になりますが、そこはまた別の話になるので割愛します。
参加者全員の安心感を作り、意見を出しやすい空間を作ることで、意見が活発に飛び交う会議に変身させることが出来るのです。
ただし、この方法には注意があります。
アイディアを出していくような会議にはとても適した方法ですが、物事の真偽や正当性、適正を判断するような会議には向いていません。
例えば、事例の賛成派と反対派で話し合うディベートの場合、全てを肯定していては議論が進みません。
時には否定することで、その物事のデメリットや課題を発見できることもあります。
なので、ブレインストーミングをするような、何かを創造する会議に活用することをお勧めします。
また、ディベートのような会議に向く方法は、また別の記事でまとめます。
さて、今回のお話はいかがだったでしょうか?
実践するのはなかなか難しいかもしれませんが、私はまずは自身から始めてみようと思っています。
上手くいくのかわかりませんが、試行錯誤していくことが大事だと思いますので、皆さんも是非適した会議の際に実践してみてください。
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次の記事はこちら↓
入社3年目・浅野「”私流”働く心理学vol3『戦略的ディベート方法』」